広告プランナーの危惧について書き散らかす

書き散らかすというのは、講演を聴いてホットな状態で書きつけとこうと思ったからです。今日、三連休の初日ですが、広告代理店のプランナー方たちが5人もそろう講演会ということで行ってきました。なかなか刺激になったので、祇園祭に向かう新幹線の中で感じたことを書いちゃおうと思います。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201007/717.html
こちらの本の発行記念のイベントということです。なんと5人全部のサインももらっちゃったりしました^^(サイン会があったのでもらっちゃいました)

広告マーケティング力

広告マーケティング力

三連休でオフモードということもあってか、結構みなさん思い切ったことをおっしゃっていただいていて、これオフレコねー、Twitterにポストしないでねーという発言も多かったのですが、もう広告業界どまんなかを過ぎてしまった自分なので、あまり問題発言も問題と思えない自分のbrain destrucitonぶりに遠い目をするばかりです。
そういえば、森本千絵さんがビデオレターで登場されて、クリエイターから見たプランナーってことでお話しもされてました。意外だったのは彼女は高校までは?数学を勉強していて、そこから急に美大に進学したこと、数学的に論理立てて考えるからなんでなんで主義でなんでもどうしてって思う人だってことや、努力型でアウトプットが感性あふれまくりに見えても論理プロセスを一段と重視するタイプだったということでした。こんなスペシャルなおまけもあって、三連休の初日を使ってでもいったのはよかったなーと思った次第です。ビデオレターでキレイな森本さんが見れたからというレベルでも^^(前お会いした時よりスリムになってた)

プランナーという仕事

今回、すごいなと思ったのは、クリエイターでなく、プランナーを集めて本をつくられたこと、そして、かなりの現場な方かつ、キャリアも才能もある、ザ・広告代理店という方を一同に垣間見れたのがいい機会でした。
プランナーの仕事というのは、まあ自分もプランナーを名乗っているわけですが、基本的に黒子です。広告ビジネスがクライアントのマーケティングにおける黒子であるなかで、これまた表現(デザインとかコピー)にかかわらず、とりたてて派手なアワードもなく、業界誌でもそこまで前面にでていくわけではない立場のなかで、彼らプランナーの現場の声や問題意識を聴くことが出来る機会は貴重だなと思ったので、あんまりこの手のイベントに行かない自分でも行こうと思えました。*1
その中で、ひとつとっても勇気づけられた言葉は、プランナーこそがクライアントとユーザー(消費者)を結びつくために中立でいられるポジションだ、というワイデンの吉田さんのお言葉でした。営業がフロントにたち、クライアントの事情を汲み取るなかで、ストレートに消費者ベネフィットに繋がらないこともあるが、プランナーが仲立ちすることで二者間をつなぎ、紡ぐ役割である、ということをおっしゃっていて、それはとても自分自身、勇気づけられました。*2
また、同様に吉田さんがおっしゃっていたことで、最適解を見つけ出す、というよりは自分は、クライアントと消費者との新しいストーリーをつくっていく役割を担うのがプランナーだと思うという考えも自分にとっては目からウロコでした。

広告ビジネスが現在直面している矛盾

この話が、今回の登壇者の問題意識に共通することだったようで、オフレコねーという部分も立場上言いがたいことだけど、やっぱり働く人として感じていることだから、ということでお話になっていました。いわく、よく言われ続けていることですが、代理店のメディアコミッションビジネスが、メディア多様化+クライアントのマーケティングリテラシーの向上などによって、なかなか昔のようには成立しがたくなっている、ということです。
ある登壇者は、自分の立場が代理店として提案する以上、課題解決に広告が無関連だなーと思っても、それって自分のビジネスにならないから提案に含められない、とおっしゃっていて、これをジレンマを感じることも多いと率直におっしゃっていたり。ある方は、実際にPRに予算を回して長期的なブランドに貢献する手段を進言したりした、ということをおっしゃっていました。でも、会社からは利益にならないから白い目でみられることもあったかなーと。
また、広告ビジネスの構造に限界を感じて桶谷さんのように代理店を辞して独立し、もっと広告以外の手段でもアウトプット出来る立場をつくりたい、という動きも出てきているようです。
で、あんまり語られないことなんですけど、この産業構造を代替する収益のあてがハッキリしない以上、ソーシャルメディアがこれからの〜みたいなフカシはあんまりしちゃいけないと思っています。(これ、自分のビジネス的には自己矛盾かもしれませんけど)広告ビジネスにおいては、IMCだホリスティックだと言われているように、全体として、どうクライアントのコミュニケーション分野の課題解決に貢献するか、ということがますます重要になってきていると思うので、そこにコミュニケーションのプロたる代理店の方々のノウハウはまだ大事だと思うのです。
僕が考える問題点は、問題はあるにせよ、フィーで企画にお金を払うことの理解がクライアントにもう少しあるといいなあ、もしくは議論する環境があるといいなあということと*3、まあ嫌味なことを言えば、広告のプロたる代理店の人がプロフェッショナルでないことが結構多いなという、そんなこと思います。そりゃ、お客さんになめられるかもなーと思うことが思った以上にあるという。もっと、自分みたいなメディア側のプランナーを使いこなすインテリジェンスが代理店にはいると思うんですよね。ネットとかソーシャルメディアとかわかんないからよろしくーってんじゃ困る。よろしくーと言えない信頼関係の段階でのソレがちょっと多いんじゃないかって思うですよ><

他、自分がへーと思ったノウハウ的なこと

プランナーが普段から企画の幅を広げるコツとして

  • 自分できめずに流される。人に店とかメニューを決めてもらう

こととか

  • 脳科学を自分に適用してみる。自分に対して、質問を文章にして問いかけてみる。適切な質問が大事だから、紙に書いてそれを眺める行為をしてイメージに残す。そうすると、潜在意識に残って問題解決に結びつく手助けになる。

というお話しがちょっとしたライフハックでした。

プランナーの友達欲しいです

自分は今はウェブ系の仕事で、それこそソーシャルメディアの企画ってのを四六時中考えてやっているわけなんですけど、もう少し、コミュニケーションを俯瞰して全体で考えるということを仕事にしている人との議論してみたいなあという気持ちが強まっています。逆に、興味あるけどネットのことわかんないという人とか、なんかちょっと違った立場の自分にどんなやつなんだろうと思って頂く代理店な方やプランナーがいらしたら軽くお声がけください。東名阪ならお会いできますので気軽に。クリエイターの方でも。僕は表現の定着は武器ではないですが、ずっとクリエイターにお声がけしてセミナービジネスをするお仕事をしていたので、実はクリエイターの知人のほうが多かったりします。

書籍の関連エントリー

http://blog.livedoor.jp/tantantantantatan/archives/50170886.html
こういう声もあるんだよ、ということで。ビジネス規模とか、歴史によってそりゃ、いろいろ違うさ。

いつのまにか

広告ブログっぽくなってきちゃったなあ。

*1:こんなの以前しぬほどやってたし

*2:役割的にはアカウントプランナーってのはまさにそうだと思います。ただ、本質的にAPしてないネット系代理店のその呼称はやっぱりやめようよ派なう

*3:全面的にフィーに移行したほうがいいかはまた別問題