ニコニコ動画さんとはてなの比較をもとに、ソーシャルメディアってなんだろうを考える
6月16日、17日と連日、ドワンゴの岡村さん([twitter:@okam1979])の講演を拝聴しました。
6月16日は、広告系ネット人(っていうのか)にはおなじみのピクルス・タナカミノル([twitter:@minoru_tanaka])さんが主催されている「インタラ塾」。
http://www.intarajyuku.net/100616/index.html*1
6月17日のほうは以前はてなでも講演させていただいた、puzzleさんの「外苑前広告会議」。
Puzzle inc.
どちらも大きなテーマとしては「広告におけるソーシャルメディア」ということで、自分の仕事そのまんますぐる感じなんでした。
岡村さんとはほんとに5月くらいに知り合ったばかりで、それもfacebookの右上に出てきた友達になりませんか推奨でお知り合いになったということで、facebookさまさまですね。Twitterでは結構前にお見かけしてたんですけど。一度夜をご一緒して、びっくり。部長&取締役なんでらしてびっくり。ぼくと同じ歳なのに。アカウントプランナーを目指していったん諦めている自分がますます霞んで見えた次第です。で、お会いしたその後すぐに岡村さんがお話しになる講演がある、と知ったので申込んだ次第なのですが、連チャンとは直前まで気付かなかったのであります。
http://www.intarajyuku.net/100616/report.html
こちらが初日の「インタラ塾」のレポート。
ニコ動にもってた印象
最初に告白しておくと、自分自身はそれほどニコ動さんを見ない人間です。前提知識でいうと
- ユーザー1000万人いるってすごいなあ(>実際はこの時点で1,670万人です)
- アクティブなユーザーさん多い印象だなー、課金してしっかり視聴してくれるなんて
- 黒字化したって話題だったなーアキバの号外はマーケティング施策かなー
- ニコ生で最近思想系盛り上がってるなあ
- 政治家も出るのかー
なんて感じ。いちユーザーとしては、Youtubeでさえ、ダラ見してる時間がもったいなくて(そのくせテレビはずっとついてるんだけど)ニコ動さんはコメントつけなきゃって思って、関与度高くしなきゃいけないのがなんだかなーと思っていたのは事実です。まあ、自分の場合、ハマリ癖なので、テレビゲームとか漫画とか、意図的に社会人になってから避けてるってのはあるんですけど…この仕事は意外と(意外と以上に)そういう経験が生きてくるのだなあと思い、ちょっと後悔している始末です。
話がそれた。
きちんとレポートと自分が思った感想を書かなきゃいけないですね。と、いうわけで自分が書いたメモから、あえてニコ動とはてなを比較してみます。僕個人の独断と偏見なんですけどね。とはいえ、ことわりをすると、はてなを好きな人の「傾向」ということで、実際には下に書く特徴にまったくあてはまらない人もいると思います。単なるブックマークツールとしてはてブを使う人もいるだろうし、Youtubeで見つからない映像を見るためにニコ動に行く人もいると思います。
比較してみた
項目 | ニコニコ動画 | はてな |
---|---|---|
年齢層 | 20代メイン | 30代メイン |
男女比率 | 7:3 | 6:4 |
ユーザー数 | 1,670万 | 160万 |
視聴者/読者(UU) | 1,800万UU | 2,600万UU |
総PV | 4,7億 | 2,6億 |
サービス | 動画サービス | テキストメイン |
メディア特性 | コメントで感情を共有する | 自分はこう思うという、考える「行為」を共有する |
得意な広告分野 | 感情involvment(造語) | 論理exchange(造語) |
(数値は媒体資料および講演で話されていた数値とDubleClick Ad Planner by Googleから引っ張りました)
*2
と、まあこんな感じ。定性的な面は、ニコ動さんの「コメントで感情を共有する」以外は私見です。
サービス規模感はそりゃニコ動さんのがかなり大きいですね。でもまあ、実際広告にして企画する場合には、どの場で「盛り上がっているか」というサイトをじっくりと見て、しって、「感じて」いることが必要なので、実際のプランニング面ではあんましこのトータル規模ってのは意識しないですけどね。
そして、感情involvementをはてなでやることもあるし、論理exchangeをニコ動さんでやることもあるでしょうけどね。例えば、自分でいえば、うごメモのようなコメントがつくサービスでは感情ベースで企画することが多いですし。
さらに講演のメモをご覧になりたい方は、id:kei-cataractさんがブログにメモされていましたのでこちらを。ニコ動で学ぶソーシャルメディアの取説 - 滝沢(@_1__1_)の日記
スゲエな、と思ったこと
ネタ消費、応援消費、という行為を起こしているのは、ほかにあんましないと思うんです。
ネタ消費ってのは、動画に対して、ユーザーさんが勝手にネタ的商品を推奨して、それを買う人がいるということで、セミナーではものを壊す動画かなにかに、超高額の20万円くらいするミキサーを紹介したところ、2名買った人がいました、みたいなことが紹介されてました。さすがにここまでの飛んだのは、はてなではないかもしれませんねえ。
応援消費ってのは、動画クリエイターさんであったり、出演しているアイドルに関連して消費すること。応援、かはわからないですが、投げ銭であったり、飯おごる、みたいな行為ははてなでもあるんですけど、ニコ動さんの場合は、事例の紹介であったんですが、オンラインゲームのプロモーションで、アイドルの卵がいちからオンラインゲームを行っていく行為を見守りつつ、そのゲームにユーザーが新規登録していく、というようなものが最たるもので、スゲエな、と思った次第です。
おんなじだな、と思ったこと
いろいろあるけどこんなことを思いました。
こんなところを共感しました。ソーシャルメディアってのは、そこにひとりひとりの人がいることで、背景にはいろんな生活があるんだろうなと思うわけで。感情をコントロールはできないから、共感出来る面を探すんです。その共感出来るスポットを見つけて、いろんな角度から考えて企画してます。(自分は)*3
と、このあたりは、じぶんが以前パズルハウスさんで講演させてもらった時も似たこと話してたなあ!と思い出しました。
Puzzle inc.
外苑前広告会議で話す機会を頂きました - shiraber's adplace@yukawasa - yukawasaグループ
講演資料にそういうこと上げてたんですが、ユーザーありき、ってのはじぶんも岡村さんも強調してた点なんですよね。自分の場合は、そういうことを忘れがちなトラディショナルなメディアからやってきたというのが大きく影響していると思っていますが、広告にせよコミュニケーションってのは相手がいて初めて成り立つものなわけで。コメントやブックマークやはてなスターという反応が見えるしくみがあるから自然にそういうものだ、という認識に自分ではなっています。
もっとニコ動研究したい!
岡村さんにブログ書こうかなーとつぶやき、今日くらいに書いとかないとずるずるいきそうだったので、今思っていることをなんとか書いてみました。でも、やっぱりしっかりわかってないという反省があるので、広告の比較のみならず、もっと踏み込んで構造とか、コミュニティの感覚を感じなきゃと思った次第です。もういっかい、id:shamanoさん([twitter:@hamano_satoshi])の『アーキテクチャの生態系』を読み返そうと思いました。
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I Love おかむー
岡村さん、講演をありがとうございました。そして、2日目に僕のためにスライドを加えていただいたことに、多謝、です!追記
せっかくなので、外苑前広告会議で使用した資料を再アップしておきます。裏サイトにはもうちょっとリッチなのおいときます。
gaienmaekaigi(puzzle).pdf
*1:僕は猫派ですがもっといえばペンギン派です
*2:ロックっぽい造語を言いたかっただけ
*3:すなわちそれがインサイトとか、アカウントプランニングってことで、自分が追求してるところでもあります。ユーザーオリエントなサービスの広告企画の人は、既にしてアカウントプランニングは一部担っているんだなと自分は思ってます。