SAKANAQUARIUM2011 DocumentaLyを見た

SAKANAQUARIUM参戦5回目ほどでしょうか。3年間、メインもののツアーはだいたい見ているこの幸運。そしてその度に違う人と見ているという。今回は直前で相棒倒れて急遽代打をお願いするなどでしたが無事幕張で見ることが出来ました。つうか武蔵野線油断できねえ。松戸までいっちゃって下手したら府中だぜ\(^o^)/開演ギリギリに間に合って結果的にオーライでしたが。
さて、今回はアルバム「DocumentaLy」がメインのツアーでした。

予習は十分。で、結局アルバムからは全曲やりましたね。あ、WOWOWで2週間後にはライブやるらしいのでネタバレなことは書きませんが、それを見たらいいですねと思います。
NEWS|サカナクション公式サイト|NF member

今回はひときわ演出が良かったです。中盤にはバッハ〜あたりで見所も…
いつも楽しみなVJですが今回格段に良くなってた。モニター3面あって会場どこからでも見えたぽいのも良かったです。レーザービームも大盤振る舞いぽい感じで中盤のテクノコーナーもバリバリ盛り上がりました。
セトリにちょっと触れますが、サカナは冒頭にちょっとブレがあって、いつもたしかにうまいんだけど演奏に余裕があるかどうか、というところが注目でして、武道館はちょっと走り気味で緊張してんなー感が伝わってきたわけなんだけど、今回は、かなり安定したスタート。余裕、まではいかなくても、イベントでスタジアムなれしてたのかなあと思えるレベルに。個人的には2曲目にセントレイをもってきたあたりに、うーんと思ったのでその曲順的には否定派なんだけど新しいアルバムからの曲がやっぱり今のサカナを表しててグイグイ引きこまれた。だけに、セントレイで無理やりテンションあげ狙いぽく感じてしまったのが残念だったなーというだけでした。不満は。ほか全部満足。肝である、『エンドレス』にしても、結構蛋白な位置に持ってきてて、特別視しないのね、という感じもなお宜しかったです。『years』の順番も意外だったけど、ちょっとうるっときてしまった。

動員2万人、というのはここまできてるんだなーと感慨だったし、今や演出も含めた部分がサカナクションだと感じてるので、通常のライブハウスもいいんだけど、スタジアムバンドへの入り口に差し掛かったのかもしれない、と感じた。だってさ、カメラワークとか、かなりすごいと思ったから。ギターとかベースのキメの部分、きちんとカットでカメラ切り替わるの。手抜き一切なし。冒頭あたりで草刈姉さんのベースチョッパーで決めるとこが抜かれてて、うわーとか思った俺視点違うかしら(・へ・)
アンコールであれ?これで終わりですか?ってことは…と思ったらやっぱりのダブルアンコール。ダブルアンコールでもってお約束の曲だったりするわけなんで、おなかいっぱいになれました。序盤から中盤のメロウを抜けたあたりからの安定感はかなりあがってて、安心かつ全て味わい尽くせるコースになっておりました。

ディテールはセトリ忘れてるんでこれ以上書けないけど、今回、2回泣きそうになったのは先にも書いた『years』と最後の曲のあと。歌い終えて、くるっと表情がかわって、一郎くんが笑うわけ。なんかね、もう泣けました。
伝わらない個人的な思いだけだけど、ほんと泣けた。はっきりいって、一郎くんの笑いって自然な笑いなわけじゃないんだよね。でも無理やりわらってるわけでもない。つくりもの、というわけでもない。不器用な人が、心から笑ったんだなーっていうのが逆説的に見える不思議な笑い。極端に表情が変わるの。
この笑い、NHK佐野元春の時もやってたから、そういう笑い方をする人なんだとは知っていたんだけど、全力を込めて駆け抜けたあと、ほころんだ表情、ということで見ると、なんだかすごい哀愁がこもって感じたんだ。
いくまえにMUSICAのインタビューみてて、いままで人を信じなかったとか、今回のアルバムつくるまでの苦しみとかっていうのを読んでたりしたのもあるけど。やたら戦略性とかシーンに向けてとか、まあマーケ的な話を良くしてて中二な感じの一郎君なんだけど、音楽に対する覚悟が、ちょっと半端ないんだよなーと思った。

こういう存在、たぶんBBB小出くんもあると思ってて、そこで共感してるふたりというのは多分に感じているのだけど、これだけ、バンドってもののアイデンティティを出してやっていくっていうのを、しかも対極に売れ線アイドルってのを比較して語ってるってのもなんというバカ正直さとか思ってたりしてて、いやー純粋なんだなって。しかもそのアイドルのエンターテイメントの努力ってどれだけすごいんだ、って認めててこれだけまっとうに自分の音楽を仕事としてとらえてるプロフェッショナルっていないよと。
90年代〜のバンド熱ってのに哀愁を感じてるロスジェネに意外とささってるのかもしれないと最近思ってる。客層は、まあ学生さんも多そうなんだけどさ。でも、2万人を超えて、チャートでも2位になるとからしいので、確実に、メジャーの一角に食い込み始めてるんだろうなとは思う。でも、俺が知ってたCDの時代でもないし、そのチャートランキングの意味が昔ほど流行に影響はしないと思うのだけど、社会的プレゼンス、というのも面映いけど、そういうのは、自分が知らない広がり方で広がってると思う。ちょっと、ポスト音楽的ムーブメントということで広がり方にも注目してる。

あとは、脱線ついでに、アートワークとか、クリエイティブが素晴らしいのが気に入ってる。露悪的にいうと、広告業界とかの悪しきコンセプトが入ってないのがいい。どっかの代理店独立したADがよくわかんないコンセプトで課題解決しましたみたいなのじゃなくて、あんまり知らない分野からこんな才能ある監督が!とかADが!とか、そういうのがあっていい。プロデューサーもいなくて、一郎くんを始めとしてチームとしてプロデュースしてたりとか、そういう根性も、あまりないんじゃないだろうか。
センスがいいメンバーだね、って問題でおしまいじゃなくて、青臭いけど大事なことをいうと、バンドが、自分たちがクリエイトするものとして、覚悟してやってる、挑んでる。音楽だけじゃなくて存在として挑んでるバンドだってことでいまサカナだけでいいやと思えてるのはそういうこと。BBBも買うけど、まあスタイルとしてより小出くんよりに見えてしまうのは否めないのでどっちかというとサカナというのはそういうこと。

ライブから脱線したんだけど、進化を楽しみにできて、時代性って時間軸で共感できる「バンド」としてサカナクションを見る身として、幕張のライブはかなり満足行くものでした。アジアでも受けるんじゃないかなあと思ったりしてる。もう、音楽は市場は国内だけでもないような気がしてる。それに、歌詞が特徴のバンドではあるけど、グルーヴ先行で踊れる点が他にないバンドだから、よりボーダレスに受け入れられる可能性があるんじゃないかなあと期待もしているのでありました。それってYMOなのとか一瞬思ったけど、WORLD HAPPINESSとかで仲良くなったんだったら幸宏さんとかにきいたらいいと思う。

MUSICA (ムジカ) 2011年 11月号 [雑誌]

MUSICA (ムジカ) 2011年 11月号 [雑誌]

MUSICA (ムジカ) 2011年 03月号 [雑誌]

MUSICA (ムジカ) 2011年 03月号 [雑誌]

追記

あらためて「SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy 幕張メッセ」 : charismatic
よりセトリゲットしたので引用させていただくなど。

RL
モノクロトウキョー
セントレイ
アドベンチャー
仮面の街
klee
アンタレスと針
years
流線
エンドレス
『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
ホーリーダンス
DocumentaRy
ルーキー
アルクアラウンド
アイデンティティ
ドキュメント

en1
ネイティブダンサー
三日月サンセット

en2
目が明く藍色

セントレイ→アドベンチャーの流れが黄金パターンすぎるだけに、そのフォーマットを持って来られたのがちょっと残念なので85点とか勝手に思ってた。